Empire State Building | Otis Global Projects
エンパイア・ステート・ビルディング
ニューヨーク(アメリカ)
エンパイア・ステート・ビルディング
1931年に完成したエンパイア・ステート・ビルディングは、当時、世界初となる100階建ての建物でした。エンパイア・ステート・ビルディングの建設は、アールデコ様式の神秘性とグローバルな象徴性を高めた画期的な出来事でした。
当時、オーチスは最先端で最速のエレベーターを納入しました。この最先端のエレベーターは、速度と着床精度を管理する高度な信号制御を備えており、「ロボットエレベーター」と呼ばれましたが、まだ操作員が必要でした。
それから80年が経ち、エンパイア・ステート・ビルディングのオーナーはオーチスにエレベーターの改修を依頼しました。これは、当ビルが21世紀にも持続可能で、ハイテク企業にとって理想的なオフィスを持ち、且つ5つ星の観光スポットともなることを目指した大規模なプロジェクトとなりました
2019年にエンパイア・ステート・ビルディングの改修は完了しましたが、このプロジェクトは大変規模が大きく複雑なものでした。新たに導入したエレベーターは、従来のエレベーターよりも機能性が格段に向上しました。オーチスの ReGen® の駆動技術を活用することにより、これまで放出していた熱をエネルギーとして取り込み、建物の送電網に戻して他のシステムで使用することが可能となりました。また、当社のCompassPlus® インテリジェントディスパッチ機能により、ピーク時には乗客を通常より速く行き先階に運ぶことが可能になりました。また、従来の鋼鉄製ワイヤーロープに代わり、スチール強化ポリウレタンフラットベルトを採用した新Gen2® を3台設置することで、非常にスムーズで静かな乗り心地を実現しました。
新しいオーチスのエレベーターは、毎年400万人の訪問者を運びます。
世界一高い所にあるガラス製エレベーター
86階から102階にある屋外展望台までの特注ガラス製Gen2エレベーターは、近代化を象徴する宝石のようです。ガラスで囲まれていて遮るものがなく、ニューヨーク市やその先まで360度一望できます。乗客が屋外展望台から下る時には、エレベーター内に音楽が流れ、昇降路の壁に映し出される光のショーを楽しむことができます。102階は昇降路の壁もガラス張りになっており、世界一高いガラス張りの場所にいることへの高揚感が高まります。
サービス
オーチスのスタッフは、この改修工事に24時間体制で8年間以上の時間を費やしました。新しいエレベーターの重量は13トンあり、分解された状態で搬入されました。カスタムリグはカウンターウェイトを所定の位置に下げました。建物はマンハッタンのミッドタウンの混雑した場所にありますので、資材の搬送には細心の注意を払う必要がありました。建物のエレベーターを高効率で稼働させるため、年中無休24時間体制で保守サービスを行っています。
エンパイア・ステート・ビルディングの歴史
1930年3月17日に最初の鉄骨柱が設置され、1931年4月11日にビルが完成しました。ビルはわずか410日で建設されました。正式な開業は1931年5月1日でした。未だかつて、この建設工期の短さで同等規模の建物が建設されたことはありません。
エンパイア・ステート・ビルディングは、1970年にニューヨークの初代のワールドトレードセンターのノースタワーが竣工されるまで、40年近く「世界一の高さのビル」としての称号を有していました。アイコン的存在である、エンパイア・ステート・ビルディングは、1933年にはあの有名な「キングコング」、そして「邂逅 (1939年)」、「めぐり逢い(1957年)」、「めぐり逢えたら(1993年)」等、多くの映画に登場しました。
2009年には、消費エネルギーを40%削減する改修工事に着手しました。1億6百万ドルの投資を行い、年間4.4百万ドルのコスト削減を実現しました。そして、世界で最も持続可能な建物として象徴的な存在となりました。また2011年には、米国でLEED認定を受けた最も高い建物となりました。
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1 開業:1931年5月1日
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2 高さ:449.2m
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3 利用:オフィス、商業施設、屋外展望台
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4 設計:Shreve, Lamb & Harmon Associates
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5 ゼネコン:Starrett Brothers and Elken
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6 73台のエレベーター
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7 8台のエスカレーター