モーターショーで、画期的な機能を搭載し未来への夢をかきたてるデザインを持つコンセプトカーをご覧になったことはありますか？

これと同じようにオーチスも、業界初となる革新的なエレベーターのデザインの開発に尽力しています。

オーチス上海リードデザインセンター（LDC）の開発部門は、先日、中国国際輸入博覧会（CIIE）でOtis Smart Cab (オーチス・スマート・キャブ) エレベーターを発表しました。大勢の人々が、最先端のディスプレイ、機能、外観を持ち、多彩なパーソナライズ機能と感覚的な体験を通じて乗り心地を改善したエレベーターを目の当たりにしました。
 

Smart Cab エレベーターとは？

Smart Cab は、IoT接続機能を備え、没入的で幅広い用途に対応したコンセプトモデルです。人を中心に考えたミニマルなデザインのかごには、呼出ボタン、行先階ボタン、スマートディスプレイ画面が合理的に設置されています。カスタマイズが可能な照明、感覚的な機能、様々な香りにより、魅力的な空間づくりを実現します。利用者が降車すると照明とディスプレイが暗くなり、これまで以上の節電効果を得られます。 

発想の源は？

自動車やスマート家電がさらに画期的で高度なものに進化しているように、エレベーターも、現代の暮らしや未来のスマート都市のニーズに応えねばなりません。例えば、アクセシビリティに配慮しつつより快適な移動を実現する、パーソナライズ化された高度な乗車体験が求められています。 

飛行機と同様に、エレベーターも上下に移動する狭い空間です。Smart Cabの壁面には、飛行機の窓のような形のディスプレイが設置されていて、外の景色を見ることができます。さらに、飛行機の内部を思わせるホワイト系の内装と照明が、ハイテクな印象を与えます。

魅力的なデザイン要素

アクセシビリティ：行先階ボタンは、ドアの横にある縦長のパネルと、壁の低い位置にある横長のパネルの2カ所に設置されています。高齢者や車椅子ユーザー、体が不自由な方も届きやすい高さになっています。

かごの色は変更できますが、オーチスのブランドカラーであるブルー、ピンクなどがよく選ばれます。ドアとアラームボタンにも、それぞれの機能に応じた色を採用でき、視覚や聴覚に障害がある人のアクセスを改善できます。

快適性：人間工学に徹底的にこだわっています。美しさとテクノロジーが融合した形状により、さらに居心地の良い空間を実現しました。自然音を流してリラックスした雰囲気を作り出すこともできます。

滑らかなストーン調素材（ペブル）：安全で快適な環境を作るため、ストーン調の温もりのある素材と形状を随所に取り入れています。天井の照明、 ディスプレイ、ボタンなど、すべて丸みをおびたデザインを用いています。オプションとして壁にも人工石素材を使用することで、落ち着いた印象を持たせることができ、快適性や安心感が高まります。

乗客とのインタラクション：Smart Cabには、Little Otis (リトル・オーチス) というデジタル・アシスタントが搭載されています。これは、ロボットのように乗客とコミュニケーションをとるアニメーションのキャラクターです。文字や音声のみを使用する従来モデルとは一線を画し、Little Otis は、エレベーターの現在位置や行先階などの情報を、人間味のある絵文字のアニメーションを使って乗客へ伝えます。この機能によりエレベーターがさらに使いやすくなり、また一歩先を見越したサービスを通じて乗客の皆様に喜んでいただきたいと考えています。

節電：消費電力の管理はお客様にとって重要な課題です。Smart Cabでは、ビルのオーナー様が節電方法を選択できます。例えばデジタル接続機能を使い、ピーク時以外の照明、温度、ハードウェアの運転モードなどを調節できます。

リモート技術：Otis ONE™ IoT プラットフォームにより、エレベーターの状況を監視し、乗客にスピーディなサービスと質の高い体験を提供することができます。例えば革新的なミリ波レーダーを使って、乗車を待つ人を検出します。人を感知した時点で省エネルギーのスリープモードが解除されます。

乗客へのお知らせ：インターフェイスデザインを通して、エレベーターの到着、かごの中の混み具合、運行状況などの情報を乗車前にわかりやすく伝えます。 

かごの混雑状況：インテリジェントな設計により、エレベーターの運行状況と人の流れを感知します。人工知能を搭載したカメラが、スクーターやペットの有無、混雑状況などエレベーターの状況を識別して表示します。

 オーチスは170年以上、画期的なイノベーションを実現してきました。Smart Cabは、先進技術、スピード、快適性、安全性を顧客に提供するという当社のエンジニアのビジョンを体現する最新製品です。

今後、Smart Cab の各種機能をセット販売する可能性がありますが、現段階では、あらゆる可能性を紹介するためのコンセプトモデルです。機能の一部を、デジタル接続エレベーターGen360™ や SkyRise®などの当社の標準製品に段階的に搭載していくことを目指しています。

2025年にはSmart Cabの一部の機能を中国国内のエレベーターに広く搭載する予定です。また特別契約を締結することで、現在中国国内において提供することが可能です。将来的には、お客様の多様なニーズの高まりに合わせSmart Cabの機能をさらに多くの方に体験していただくことが可能になります。